どうにも睡眠の質が低いので、部屋に監視カメラやらセンサーやらを取り付けてみる。一晩が経つ。いつものごとくすっきりしない寝起きのわたしは、端末を起動して、モニタリングツールを表示する。睡眠中のわたし/全身が65535色に発光/センサーが停止するほどのエネルギーを放出している。監視カメラに、全身から管を生やした生き物が入り込んでくる。管を放射される光に触れさせると、光は消えていき、生き物の背の袋が膨らんで行ゆく。エネルギーセンサーは、袋に収められたエネルギーを測定する。計測結果/原子力発電所10基ほどの電力。生き物は部屋から立ち去る。モニタリングツールを終了させる。わたしはうなずく。なるほど、これだけ部屋がピカピカしていれば眠りが浅くなるのは必定である事実に納得する。わたしはショッピングアプリを起動し、ブルーライトを目張りするテープをいくつか注文する。