何事も自動的に進んでゆく。目を覚まし、歯を磨き、運動をして、瞑想をしてから隣の部族へ宣戦布告する。一連の流れをリストとして書き出しており、わたしはリストの先頭から実施することにしている。目覚めた瞬間にネットを見たりすると、自動的な感覚がなくなり、1日が台無しになってしまうことを学んでいる。ゆっくりと朝食を食べ、新聞を広げる。新聞は再描画され、3つの戦線状況が表示される。いずれもこちらが有利。いつもの流れであることに満足する。わたしは新聞を閉じる。身仕度をして散歩に出かける。気持ちの良い日射しを浴びつつ、森のなかを歩き回る。森では山岳部隊が奇襲をかけてきたライバル部族と戦闘を繰り広げている。わたしはリスト通りではないことに少しむっとしつつも、山岳部を指揮して、敵対勢力を森から死体にして追い出す。散歩を終えると、わたしの身体は汗ばんでいる。シャワーを浴びているあいだにアイデアを思いつく。思いつきは兵器工廠へ転送され、実施に移る。バスタオルで身体を拭いているうちに、戦車の生産量倍増の報告を受ける。わたしがうなずくと、機甲師団は一点突破で敵の防衛線を食い破ったとの知らせを受ける。わたしはリストを見る。ここまでは予定通り。リストに斜線を引いて状況を進めてゆく。スムーズな1日が始まろうとしていることの可視化に、わたしは静かな充実感を感じている。